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明るいところだと見えるのに「暗い場所だと見えにくい」という症状について解説していきます。


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夜盲

暗いところで物がよく見えないという状態は俗に鳥目といい、医学的には「夜盲」といいます。この症状があらわれた場合、考えられる病気の代表的なものは「網膜色素変性症」です。

網膜色素変性症の症状は?

網膜色素変性の特徴としては、発症してから間もないころの症状は夜盲だけですが、病気が進行するにしたがって視界が狭くなってくる視野狭窄が起こってきます。

最初は風景の周囲が少し見えにくくなる程度なので、視野検査を行った場合、見えない部分が輪っかのようになる輪状暗点が確認されます。しかし、症状が進行してくると極端に視界が狭くなってきて中心部分しか見えなくなってしまうこともあります。

また、網膜色素変性症の進行にともなって視力の低下や色覚異常が起こります。ただ、症状の出方は人によって様々で、夜盲があらわれる前にこのような症状が出てくる人もいます。

原因は?

網膜色素変性症は網膜の視細胞が障害されて起こる病気です。原因はまだはっきりと解明されていないのですが、視細胞とくっついている網膜色素上皮細胞にかかわる遺伝子の異常が原因ではないかと考えられています。

視細胞には2種類あって、明るいところで物を見るときに働く錘体(すいたい)と暗いところで働く杆体(かんたい)があります。
網膜色素変性症では、杆体から障害されることが多いので最初に夜盲の症状があらわれることが多いのです。

また、杆体は網膜の周りに多く分布しているので、視野の周囲に見えない部分が出てきます。網膜色素変性症の進行とともに視細胞が障害される範囲が広がって、周囲から中心に向かって徐々に見えない部分が大きくなっていきます。錘体は最後まで障害されずに済むこともありますが、錘体も侵されると視力を失ってしまうこともあります。

網膜色素変性症は遺伝する?

網膜色素変性症は遺伝性の病気といわれています。そのため、親族にこの疾患を発症した人がいる場合は少し注意したほうがいいかもしれません。
遺伝によって発症する確率としては、患者さん全体の約50%といわれています。残りの50%には遺伝傾向がみられませんが、遺伝子に何らかの異常があるのではないかと考えられています。

なりやすい人は?

網膜色素変性症の患者さんには男女差はほとんどなく、発症する年齢も多様です。生まれたときから進行しているケースや、幼年期から夜盲を訴えるケース、40~50歳になってから初めて症状が出てくるケースなど本当に様々です。


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治療方法は?

現在の医療では網膜色素変性症で障害された視細胞を復活させる治療法は見つかっていません。ですから患者さんそれぞれに合わせて症状を緩和させる対症療法がメインになります。

患者さんの多くは、明るいところから暗いところに入った時に目が慣れるまで時間がかかる「暗順応障害」というものに該当するので、これを改善するために治療用のサングラスをかけることになります。これは暗順応障害の改善だけでなく物のコントラストをはっきりとさせたり、明るいところで感じるまぶしさを軽減させる効果もあります。

その他には、血液の循環をよくする薬やヘレニエン製剤(βカロテンの一種)、ビタミンA剤などを服用することによって視野が少し広がる人もいますが、必ずしも全ての患者さんに効果的なわけではありません。
網膜色素変性症は治療方法が確立していませんが、眼病の中では比較的進行が遅い疾患ですので、症状が出てきても慌てず視力・視野の良いうちから適切な対応をしていくことが大切です。
もし網膜色素変性症の症状かもしれないと思ったら早めに眼科を受診するようにしてください。


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